国立がんセンターが公表した10年生存率「58%」の捉え方

Symptoms and pain. Isolated on white

2016年1月20日国立がんセンターは、
がん患者さんの10年生存率を公表しました。
これまでは5年生存率というのが一般的な指標でした。
つまりがん治療後5年経過しても再発がなければ?
ほぼ治ったと解釈していたからです。
ならば今回10年生存率を公表した狙いは何か。
その捉え方について考えてみましょう。

「58%」が一人歩きすると心配です

テレビや新聞などでも取り上げられました。
しかし10年生存率は58%!
この数字がクローズアップされてしまいました。
58%は微妙な数値ですね。
つまり読み方によっては?
半分以上の人が10年は生きられる!
逆に半分近くは10年も生きられない?
もちろん患者さんの年齢によって捉え方は違うでしょう。
一方で10年も!
または10年しか?
ポジティブに受け止める人は?
医学では説明できない奇跡を生み出すかもしれません。
いずれにしても単に58%!
この数値だけが一人歩きするのは心配です。

15年前の患者に対する治療実績です

今回公表されたデータを見る際に注意すべき点は何か?
1999年から2002年に診断治療した症例を対象にしていることです。
つまり約15年前の患者さんに対する生存率です。
当時と今とでは治療の方法や効果が異なります。
例えば同時に公表された5年生存率の推移を見ると?
いずれの部位に関しても生存率は高まる傾向を示しています。
すなわちがんに罹っても?
治るようになっていることが確認できます。
そういう意味で今回の10年生存率とは?
がんセンターにおける治療実績を単に現しているのです。

早期発見の大切さがわかる

10年生存率58%は?
あくまでも分析対象である35,287症例の平均値です。
部位別、進行度によってまったく違います。
例えば今回最も生存率が高かったのは甲状腺がんの90.9%です。
逆に低かったのは膵臓がんの4.9%です。
とはいえ甲状腺がんの中でも進行度によって異なります。
つまり初期である病期Ⅰの10年生存率は100%です。
しかし末期である病期Ⅳでは同52.8%に急落します。
一方で膵臓がんも病期Ⅰでは同29.6%、病期Ⅳでは同0.9%です。
いずれも大きな差が現れます。
ここから早期発見が大切!
それを証明したかったのかもしれません。

合併症や環境如何で変わるかも

データ数の関係から?
施設別の生存率などは公表されていません。
これがあれば患者さんの選択肢も広がったでしょう。
一方で変な噂が流布する危険もあります。
一長一短です。
とはいえ患者さんが合併症を持っていた?
治療環境などによっても生存率は大きく変わるはずです。
一般には家族がいる方が、生きたい!
意識は高まるでしょう。
もちろん患者さんの年齢も左右しそうです。
しかし個人情報もあるのか?
患者さんの詳細なデータは示されていません。
そのため今回の数値は目安として捉えるべきなのです。

公表した狙いはどこか

今回国立がんセンターが10年生存率を公表した狙いは何でしょうか。
同センターはそれについて明言していません。
しかし次のような点が考えられます。

1.認知度を高める

がんセンターは頑張っています!
がん治療における認知度を高めることでしょう。
テレビや新聞で取り上げられるなら?
良くも悪くも国民への宣伝効果があります。

2.早期発見の重要性を示す

今回のデータには、進行度別の生存率が示されています。
もちろんこれまでの5年生存率においても
進行度別の分析はされていました。
しかし発見時の進行度によって生存率が大きく変わる!
それを示すことによって早期発見の重要性を認識してもらえるでしょう。

3.目標を持ってもらう

日本の高齢化は止まりません。
90歳まで生きる人も少なくありません。
では70歳でがんが見つかったらどうするか?
かつてなら諦めムードですね。
しかし10年先も生きられる!
一方で若くしてがんが見つかっても?
10年あれば、新たな治療法も出てきます。
希望が生まれるでしょう。
患者さんに生きる目標を持ってもらうことも大切です。

今後はもっと高まるでしょう

今回の分析結果は15年前のデータです。
そのため今日がんと診断された人は?
もっと生存率が高まるでしょう。
がんに対する治療技術は向上しています。
またがんを見つける技術も進化しています。
10年後には?
初期で見つかる人が増えるでしょう。
すると統計のマジック?
トータルの生存率はもっと高まりますよ。

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