遺伝子を変えて良いのか?ゲノム編集に対する3つの課題

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病気の人は、どんな手段を使ってでも治したいと考えるでしょう。
とはいえ悪魔と契約してもですか。
神様の領域に入ってしまわないのか?
そんな議論が医療業界で行われています。
つまり病気の遺伝子を変えてしまう技術
ゲノム編集が現実化したためです。

■ゲノム編集とは

人間のDNA配列、いわゆるゲノムが確定してから10年以上が経過しました。
それに併せて医療分野も大きく変わりました。
つまり病気の原因になる遺伝子が多くわかってきたためです。
そこで遺伝子を変えてあげれば?
病気に罹らなくなる!
単純な原理です。
様々な研究が進められています。
これがゲノム編集です。
わかりやすい話ですが、倫理的にはどうなのか?
神学論争もあります。

■ゲノム編集に対する3つの課題

誰もが健康に暮らしたい!
ゲノム編集を使えば、それが実現します。
とはいえゲノム編集を普及させるには?
考えておくべき3つの課題があります。

1.遺伝子を変えるのは悪か

人間はこれまで家畜や栽培植物を長年にわたり改良してきました。
つまり生き物は基本的に父親と母親の性質を受け継ぐからです。
具体的には、たくさんの牛乳を生産したり肉質の良い親ウシからは?
同じような特徴を持つ子ウシが生まれる!
このような育種技術は人間の食料生産に多大な貢献をしてきました。
しかしいつからか?
遺伝子を変えよう!
そんな技術が登場しました。
遺伝子組み換え作物や受精卵移植と呼ばれるものです。
とはいえこれは悪いことなのでしょうか?
一部の人たちには拒否感があるようです。
間接的には良いけど直接遺伝子を弄ってはいけない?
それでも境界線はどこにあるのか。

2.人間にやってよいのか

クローン羊が登場した際に、クローン人間が作られる!
そんな恐怖感がありました。
SF映画が現実になります。
既に作る技術はあります。
しかし倫理という壁があります。
それでも死んだ我が子が生き返るなら?
藁をも縋る思いです。
悪魔の領域に踏み込むことも否めないでしょう。
自分はクローン人間を作らない!
言い切れますか。
もちろんクローンとはいえ意識は違うでしょう。
つまり一卵性双生児は遺伝的には同じですがまったくの別人です。
家畜や栽培作物でも社会的な議論があります。
それを人間にやってもよいのか。

3.同じ人間ができないか

ゲノム編集で何が変わるのでしょうか。
医療技術がさらに進めば、遺伝子が関与するあらゆる病気が治る!
予防できるようになるのでしょう。
悪い遺伝子をひとつずつ消していく!
一見好ましそうな技術です。
しかし突き詰めて考えると?
同じような人間ができることにならないでしょうか。
そもそも病気に罹るのは悪い人!
障害は悪なのか?
優生学が復活しそうです。
そういう議論がゲノム編集の先にあります。
とはいえ今では体外受精は不妊治療のスタンダードになりました。
男女の産み分けもあります。
曖昧にぼかしながらも命を選択する方向へ進んでいるのも否めない現実です。

■ゲノム編集の具体例

現在では明確な法律や規定がありません。
あくまでも患者さんと医師との信頼関係に基づいて行われています。
例えば2015年11月イギリスで急性リンパ性白血病の赤ちゃんに対するゲノム編集が行われました。
他の方法で治る確率が極めて低いと判断されていたからです。
このまま死を待たねばならないのか。
親としても厳しい判断です。
2016年を迎えた現在において、悪い知らせは入っていません。
完治したとは言いがたいでしょうがゲノム編集の意義はあったようです。
今後はこのような臨床研究が続けられるようです。
病人を前にして医師は何をすべきか。

■自分の中で考えておきましょう

不妊治療や延命に関して、個人的に拒否することはできます。
しかし救える命があるなら、ヒポクラテスの誓いをどのように解釈すべきなのか。
時代と共に正義感も変わるのでしょう。
60億人全員が納得する回答はありません。
とはいえ自分が死の宣言を受けた際に、ゲノム編集を拒めるか。
自分の中で、上記の課題を考えておくべきなのでしょう。

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